〜某日〜

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

超環境体験ルームには、座禅している一人の少女の姿があった。

超環境体験ルーム…そこは、溶岩地帯や、豪雪地帯、真空空間、果ては触手の森等、存在しうる様々な環境を幻覚魔法により本物と全く同じイメージを体験する事が出来る、学園屈指の"不人気"な部屋である。
この部屋が不人気なのはいくつかの理由がある。
一つ、は幻覚魔法で再現してるだけといっても、そのリアリティは屈指のものであり、実際に火傷や凍傷になったり、心が弱い人ならショック死する危険性を持っていること。
二つ、イメージの体験なので、同じ人間が同じ環境を体験しても、同じ結果になるとは限らない事
三つ、そもそも部屋の存在自体があまり知られていない 
etc.etc・・・・・・・・・・といった理由でこの部屋は人気がない。
では、何故そのような部屋に少女はいて、座禅などしているのか?
それは昨日少女…スグハが、エロダンでの被害に耐えるために、精神を鍛えたいと思った所から始まる・・・

(精神を鍛える…普通の人ならただ座禅するだけでも、いいんだろうけど…。)
しかし、それだけではスグハには無意味だった。
(自画自賛するわけじゃないけど、私の精神は能力のおかげで、強すぎるからね…。)
そう、スグハの精神は能力の影響もあり、並大抵の事で、揺れ動くことはない。
スグハは、ただ座禅するだけでは、一年やったとしても、何も変わらない事が分かっていた。
(そんなに時間もかけたくないし…先生に聞いてみようかな?)
(でも誰に聞くべきか…。)
彼女は脳内で、何人かの先生を候補として浮かべてみた。

一人目:シオニー先生…×
(あの先生は優しそうだ…。危険がありそうな設備は紹介してくれないかもしれない。)
二人目:シュテル先生…×
(何で思い浮かべたんだろう?駄目な理由が多すぎるよ…。)
三人目;ラインハルト先生…〇
(うん、最初からこの人で良かったんじゃないかな?)

『よし、ラインハルト先生に聞いてみよう。』

・・・そうして紹介されたのがこの部屋である。
(どれだけやっても現実では一時間しか経過しないなんて…私予想以上に凄い所だね。)
(あんまり、長く体験すると、体が衰える可能性があるっていうのは、残念だけど、時間の方が貴重だしね。)
(とりあえず設定しようかな?)



時間…一ヵ月
環境…ランダム
環境の変化プログラム…ON
変化するタイミングを設定してください…ランダム



設定が完了しました
では、室内にいる生物の意識を幻覚空間に移動させます。
室内の存在が移動完了した後、30秒後に最初に設定された環境が展開されます

(じゃあ、やろうか…)
設定する機械に表示された残り時間が減り始めるのを確認すると、スグハはその場で座禅した





設定されたコースが終了しました。
30秒後、室内の存在の意識は元の体に戻ります。
お疲れ様でした、またのご利用をお待ちしております。




(ん、終わったね。)
スグハが終わった事に気づけたのは、終了と同時にかけられた覚醒魔法のおかげである。
それがなければ、そのまま餓死してた可能性もある…それくらいの集中力を発揮していた。
(体の調子は…うわぁ、始める前の半分くらいに性能が落ちてる…この部屋の人気がないのも納得だね。)
『まぁ、いいや。部屋に戻ろうかな?汗でべったりしてて、着替えたいしね。』


失ったものは大きい、得たものなどないに等しいだろう。それでも彼女は笑っっていた。
きっと彼女にとっての目的は達成出来たという事なのだろう。

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