真っ暗な闇の中、朧気ながら人の姿が見える……顔はまるで塗り潰されたように見えないが、首から下はぼんやりと見えるだろう…ダークグレーのスーツに右手には黒塗りの鞄を持っている、男の顔は見えないが口を開いたように読者(あなた)達には見えるだろう。


■■■■
「私の名は■■■■
人呼んで■■■■■■■■
ただの■■■■じゃ御座いません
私の取り扱う品物は力
世界すら滅ぼす力で御座います
オーッホッホッホッホ!!!!!!!
この世は老いも若きも男も女も
力を求める人ばかり
そんな皆様の求める力をお助けします
いいえ、お金は一銭も頂きません
お客様が満足されたら
それが何よりの報酬で御座います
さて、今日のお客様は……」



ちらり、と男は後ろを覗く。其処には年の頃は18、9といった着物姿の青年が佇んでいる、目には燃えるような闘志を滾らせていた。

■■■■
「ほう、名も無き世界の青年ですか、彼は…どうやら、力を求めているようですねぇ…なるほど、怪物を倒せる力が欲しいと」


青年は頷き、男に自らの国に現れた怪物について説明し、男の噂を聞き付け仲間の助けを借りてこの世界の果てまで来た事を明かした


■■■■
「……宜しい、なら彼等を倒せる力を渡しましょう、彼等と同等の力を…
何?御代ですか、結構です、貴方の行方を見るだけで結構ですとも……」


姿を消す青年…暫しの時が流れ、一つの世界が終わりを迎えた…何も存在しない虚無の空間で対峙する青年とスーツ姿の男、青年の顔には怒りが映っていた

■■■■
「オーッホッホッホッホ!!!!!!!
世界が滅びた?…それはそうでしょう、貴方は■■■■■と同じ怪物になったのですから、彼等と同様になれば課せられるルールも同じ、最期の一体になってしまいましたからねぇ
………そんな話は聞いていない?それはそうでしょう、聞かれませんでしたから、彼等の闘いの理由とルールはね……

ヒヒヒ…ヒャハハハハハハハッッッッ!!!!」

絶望に満ちた表情を浮かべる青年、
青年と相対する黒いスーツ姿の男がドロドロに溶けて、其処から新たに顕れたのは包帯で全身を包んだ奇妙なスーツ姿の男であった


■■■■
「素晴らしい!!その絶望こそが、我が力になるのだ!フハハハハ!!」

くぐもった声を上げ高らかに嗤う包帯男
その時、空間を切り裂いて現れる二つの赤い光、やがてその光がおさまると二人の人影が現れた
一人は銀色の身体に赤色のラインが入った人間とは異なる種族の男、もう一人は地球人だろうか青い髪を短く切り揃え軍服に身を包んだ無表情の男

■■■
「くっ、一歩遅かったか…!」

■■■
「■■■、あれを見ろ」

■■■
「あの姿…まさか、貴様は…!」

軍服の男が油断無く銃を構え、視線を向ける先の人物に気付き両手を握り締めて構える銀色の男、そして二人の存在に気付き大仰な仕草で不気味な笑いを上げる包帯男


■■■■
「遅かったな!■■■■■■■■■!そしてその依り代の■■■よ、既にこの世界は滅亡した!…ハハハハ、さらばだ!!」

突如、空間に亀裂が走りまるでひび割れたガラスのように砕けるとその向こうの異次元へ身を晒し消える包帯男、残されたのは三人の男であった


■■■
「■■■、彼は一体…」

■■■
「恐らく、アイツに騙されたんだろう…彼の世界が崩壊し、肉体も滅びを迎えた今では…救うことは、出来ない」

軍服の男に問い掛けられて、銀色の男が首を横に振る。着物から覗く四肢の先が崩れ、まるで砂のように消え始めた…世界が滅び、肉体も消滅しかかっている…しかし、着物の青年の目から意志は消えてなかった!その目には熱い情熱が、眩いばかりに灯っていた!


■■■
「■■■…」

■■■
「分かっている、彼の意志は…絶やしてはならない」

銀色の男の言葉に頷くと軍服の男は背負っていたバックパックから二つの道具を取り出す、一つは刀と呼ぶには異形の武器を、もう一つは赤色のブレスレットを消えかけの青年の身体に置くとみるみるうちに肉体は元に戻り始める。


■■■
「それは試作品だ、彼等■■■■■■の力を擬似的に再現し、封じ込めている…そして、その力を君の生命力に変換し、崩壊寸前の身体を繋ぎ止めている」

■■■
「今の君の命の代わりと言っても過言では無いだろう、…片方が破壊されても、非常に時間は掛かるが自己修復は可能だ。しかし、変身は出来ない。仮に、破壊されたまま無理に変身を行えば…君は消滅する」

そう告げる二人の男に着物の青年は強がった笑みを見せて、感謝を伝えると左腕にブレスレットを装着し、腰に刀を差すと背を向けて歩き出す…目指すは、あの包帯男が狙うだろう多次元世界の一つ。


■■■
「我々は、彼奴を探しに次元を旅する…運が良ければ、また会えるかもしれない」

■■■
「それまで、死ぬな」

二人の男はそう青年に伝えると赤い光の球体に変わり、飛び去っていった。


…彼に、後悔は有った。知らなかったとはいえ、世界を崩壊に招いた自らの行為の罪を。しかし、彼には迷いは無かった。一度は死んだ生命、数多の世界を救う為に、罪を抱えて前を見て走り続ける事を、無謀と、傲慢と言われようと悲しみが無い世界を、希望を絶やさない為に闘い続ける事に迷いは無かった。


https://youtu.be/oPEpZZTtM9k

異次元人ヤプール登場

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