とーりの外/58/荒野


???「これより任務を遂行する」


オム君ことオムニクト・イオガだ
今日の仕事は相も変わらずえおーふの殲滅…
今更ながらになんてネーミングセンスだとは思う。ここの連中のネーミングセンスはどうなってるんだ


オム「敵影はざっと38、大型種が1と言ったところか
   群れはイチカに任せるとして俺は大型の相手が基本だな」


僅かなまほーりょくを振り絞って視界を強化、スコープ越しに状況を把握する
こういう時ナールやリーズトみたくまほーりょくが多ければと思う


オム「さて、今日も世界を守りに行きますか」


イチカが交戦し始めたのを見て後に続いて突撃
まずは周囲のクリアリングから行う、露出している岩の陰に潜んでいるとも知れないし


えおーふ「amo irod oteti ari totu takow oro nouk esinu!」

オム「何言ってるか分からねえよ!死ね!」


案の定隠れていたえおーふの頭部をショットガンで打ち抜く
怖くないと言えば嘘になるがそれでも戦わないといけない

恐怖でできた弾丸を臆病でできた銃身に込めて、
殺意の火薬を爆発させて飛ばす。相手は無残に死んだ


オム「周囲の安全を確認、大型種の対処に移行する」


どこへでもなく言って自分を落ち着ける
今回の大型種は巨大な甲殻に包まれた亀のような敵で頭のほかには攻撃が通用しなさそうだ
イチカは出撃前「どう見てもラヴォスじゃんこれ!」と言っていた。らぼす?


オム「神よ、どうかいるのなら決して俺達を許さないでくれ」


岩陰でショットガンをおろし腹ばいになってライフルを構える
照準線の中心に狙いを定め、呼吸と脈拍を意識しながら引き金に指を沿える。一射


大型「rrrrrrrraaaaaaaAAAAAAAAAA!!」

オム「………」


甲殻から無数の白色の腕のような触手のような物が飛び出してきた
上空まで伸びたそれは向きを変えてイチカに向かって殺到する。二射 三射

地団太で大地に亀裂が走り45728本の触手は動きを増して周囲を掃討し始める
周囲200メートルがクレバスになるまで地面を抉り取り暴虐の限りを尽くす。四射

頭部を解放しまほーりょくが集まっていくのを感じる、が遅い
ゆっくりと引き金を引くと大型えおーふは淡い粒子になって消えていった


オム「任務完了、これより帰還する」


一息ついて瞼を閉じ休憩する
この程度の戦闘はいつものことだし、ここ数十年の間で戦闘による死者は3人と実に安定している
とはいえいつ何の拍子に死ぬか分からないのも事実で今日も無事生き残れたことに安堵し息を吐いた

ふとイチカの様子を確認するとクレバスの中心で小型と会話をしている
素早く足元のライフルを構えて放つ。薬莢の音が嫌に耳に響いて離れなかった


オム「お前は確かに強いよ、この上なく強いさ
   でも何もかも背負えるほどお前は強くないよ。イチカ」


言葉は砂塵とともに粒子のように空へと吸い込まれ消えていった





走って敵に近付きながら手ほどの石を蹴り上げる
眼前で受け止められたががら空きになった右側部に回し蹴り
地面に倒れた敵の首目掛けて踏み下ろすとゴキリと骨が折れた
 
続いて来る一体を大鎌を出して上段から斜めに切り下ろす
一度手を放し左足のひかがみで引っ掛けてから背後を素早く向く
その勢いを殺さず手を返して鎌を取り直し2体

柄の部分で攻撃を受け止め滑らすように左を駆け抜けまた1体
姿勢を低くして大きく振るい周囲を牽制しながら一拍おく


大型「rrrrrrrraaaaaaaAAAAAAAAAA!!」

ボク「うっわなんか発狂した、やべえよやべえよ…」


ボクの役割は雑魚の殲滅とはいえ意識を裂かないわけにはいかない
大型が地面を割るのと同時に鎌を投擲、僅かながら時間を稼ぐ


ボク「とはいえ完全に囲まれたな。そりゃそうか
   こういう時こそボクの必殺3ゲージ超美麗カットインルートヒロイン専用技…」


悠長なこと言ってる間に白い大量の腕が降ってきた
ヤバい無理死ぬ!全力で退避! というかオム君後で殺す

そんなこと思ってたら腕が降った後に地を這って来た
時速300キロはあるなアレ……無理死ぬ死んだ
そしてボクの意識が消える。GAMEOVERですねこれは



再び目を覚ました時には丁度大型が粒子になっていた
綺麗に周囲が抉れていて見るも無残になっている
ボクが雑魚敵と戦った意味あったかな? ほとんどあの腕に片づけられてるじゃん

そしてさっきからそこにいる下半身がない小型の敵が一体
運よくあの腕を免れたのか? 其れとも死角に潜ったのか……何にせよまだ生きている
裏を返せば他に生きている奴はいないな


敵「wor iwor ihono ron atom inuem ori tona doraeno」

ボク「許してくれとは言わない。謝罪もしない
   ボクが何をやったところで贖罪にならないだろうから」
  
敵「dae suti ukuri nak omaw okoro nou noro nozis une koma wokor ono uko」

ボク「だから今のボクがすることは君たちを殺すことだけだ
   当然それは救いにはならないし君達にはいい迷惑だと思う
   思う存分に罵ってくれて構わない……yos erok onuni met etik eri」

敵「kat abog owoko ren ako!? nor owo……」


瞬間そいつの頭が弾け飛んで細かい粒子となって散っていく
ふわりと舞う水色の粒子はボクの髪と頬を慈しむように撫でて宙に消えた
全くオム君も過保護だ、ボクにとっては今更の話だというのに





そんな少女の話は続く

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