地下世界アンダーグラウンド、そこは全てが終わり、全てが止まった世界。
全ての世界から。忌避され封印された世界。

そこには、荒野が広がっていた。かつてあった溢れる緑もなく、美しい湖もなく、
存在するものと言えば、この世界に適応してしまったモンスターや魔物だけだ。

この世界の脅威と言えば全てが汚染された故に即死級となった風、何の対策もしていない人は即座に灰となり、
唯の魔物やモンスターもまた即死し機械は錆びて朽ち、植物は腐っていく。

そしてもう一つの脅威それは時間の停滞化。この世界に入ってすぐそれを感じることだろう。
一度囚われてしまえば最後、無限の時間を停止したまま過ごすことを強いられる。
さらに、長くこの世界に留まれば、その停滞はさらに加速していき何れ停滞に飲み込まれるだろう。

そうなれば最後、自分の体が動かないことを自覚しながら、千年も万年も刺激なきまま生きたまま過ごし、
発狂し、心が死に、廃人となり、この世界のモンスターや魔物に殺されるまで終わることはない。

彼のナーストランドが新兵器の実験場にしようとしたがその為の人員や物資、そして兵器全てが失われた。
その為、ナーストランドですらこの世界を忌避し、封印することに賛成したのであった。

この世界に適応し成長したモンスターや魔物の脅威度は一つの国を滅ぼせるほどの力を保持する。
それは、己が生き残るために他のモンスターや魔物と殺し合い、食らい、成長したが故と言われる。
ここはモンスターや魔物にとっての修羅道でもあるのだ。



それでは地下はどうかと聞かれれば、そこもまた地上と変わらぬところである。
まだ、人がこの世界に存在していた時代は地下は人にとっての最後の生活の場であった。

そして意外なことだがこの世界の人の技術力は物凄く高かった。偏りがひどかったが。
即死級の風、時間の停滞に対する対策の為に技術力を存分に発揮し、対策装備を練り上げた。

だからこそと言うべきか、即死級の技や魔法、状態異常に対する対策、時間に関する事柄などは、他世界以上の物を持っていた、しかし全てはとある日の大災害によって無くなってしまったが。

今の地下はかつて人だったものが徘徊している。その姿は最早人とは呼べぬものとなり果てている、
ネクロモーフと呼称されている。

そして、人々がいなくなった地下にはすでに即死級の風と時間停滞の影響が出始めている。
しかしどういう事かネクロモーフ達にはそれらが効いておらず通常通りに行動している、もし生きている者を見つけたら、襲い掛かってくるだろう。



その地下奥深く、即死級の風にも時間停滞すらも無効化した場所で、一つの機械が動いている、
全てが真っ白の場所で、様々な世界の様子が流れては消え流れては消えを繰り返していた。

「これも、これも違う」

ただ機械から発せられる声が響く、まるで何かを探している。

「この世界最後の希望、この世界最後の光、この世界を進める鍵、貴方はどこにいる」

全てが終わり、全てが止まった世界でこの機械のAIはこの世界を再生させ動かそうとしている。

「この世界は今だ死んではいない、再びやり直せるだからこそ私は希望を探さなくてはならない」

AIは一人でそのようにつぶやきながら異世界を観察していく、どこにいるかもわからない希望を探して。
それが無意味であるかは未だ誰にもわからない。

「ああ、どこにいる、この世界で生まれたこの世界者の支配者、最後の血筋――エクトよ」

それは、大災害による死の運命を偶然にも避けた男の名であった

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