始まりは姫。何も何も知らない、ただの少女
少女は世界が、絵本のように出来ているのだと思っていた
明るく、優しく…正しく、出来ているのだと思っていた

けれども世界は間違っていた
暗く、暴力に溢れ、闇が支配し…正しさなど、どこにもなかった
少女はその中を生きた。生きて、闇に触れた
少女は正しくはなかった。正しさに触れることもなかった

そうして少女は…壊れ、今も尚眠っている

わたしは眠り姫。長い長い眠りについた、目覚めぬ少女


次は仕切り、現実と心を隔てるための仕切り。姫を守るための、暴力の使徒、危険信号
彼は姫を守るための騎士であった
その手を、姫が汚したその手を、塗りつぶすかのように汚した

それでも世界は間違っていた
幾ら斬っても刺しても、闇は溢れていた
彼はそれでも続けたが…それも、別の闇の利益にしかならなかった
彼も正しくはなかった。正しくなることは出来なかった

そうして彼は…今はまだ、待っている
俺は眠り姫が目覚めるのを、待っている


そして…今は嘘ツキ。紫でもなく、黄色でもなく…偽物
彼女は一人で生きる
裏切って、騙して、言い訳して…それでも、一人で生きる

汚れた手を見るのが嫌だからと手袋を嵌め、汚したくはないからと糸を束ね
罪滅ぼしかのように人を束ね、それでもそれしか知らないのだと闇に手を染め
嘘で自分を塗り固めて、違うのだと言い訳を重ねて
騙して騙して騙して騙して…他人も、自分も騙して…一人で生きる

偽物だ。私はわたしでも俺でもなく、それが混ざったものでもないのだから
俺が覚えていたわたしを、想像で育てただけの偽物だ

だからこそ私は…正しくなければいけない
正しさを見つけなければいけない
偽物は、正しきものがあってこその偽物なのだから

…そう、正義を探さなければいけないのだ
わたしが、最後にそう願って眠りについたのだから
俺が、それを見つけられなかったのだから

そして、正義を世界に示さなければならない
わたしが正しかったのだと、示すために
俺がしてきたことは間違ってなかったのだと、示すために


私は、その為に今ここにいるのだと

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